4月を迎え、春が訪れたことを実感する。さらに言えば、年度が変わるのに加え、野菜や水稲の植え付けの時期でもある。そういう時期に合わせて、ヘドロの臭い消しからMSR+の活動の中心として扱ってきているEM(有用微生物群)の活動の新たな試みを初めてみた。それは町内会に回覧版でEMについて周知し、興味を持った人達に対してEMの配達を行う、という活動になる。
これまではEMを入れたタンクをボランティアセンターの敷地内に置き、自由に持って行ってもらう様な形式だったが、その存在を知る人は少なく、家を留守にしている時に貰いに行くのは躊躇う方々が多かった。そのため、利用者も限られ、EMについて知る人も少なかった。そういう状態を改善できるよう、自分達の活動の幅を広げていこうと考えている。
センターのある下野郷下を呼ばれる集落は、岩沼市の東部に位置し、昔ながらの閉鎖的な農村で、若い世代が離れつつある集落となっている。専業で農業を営む人はほぼおらず、農業と言っても多くは家庭菜園的な規模(30坪程度)になってしまう。ただ、その規模でも手間をかけて野菜を育てるということは容易ではない。EMを通じて関係を得ることでその手助けをできればと考えている。また、集落内で互いに助け合って野菜を育てていける開放的なコミュニティを造るきっかけとなればと願っている。目標は高すぎるかもしれないが、どんな状況にあってもクリスチャンぐらいは夢を語っていけたらと。
・4月12日に三浦綾子読書会をいう活動を通して、仮設住宅で「塩狩峠」の映画上映会を行った。これまでは三浦綾子読書会の中心的な人物である森下辰衛先生が来られた時にだけ講演会や演劇等の活動をしてきたが、仮設住宅の住人に深く関わるためには定期的な活動が必要となるため、読書会をMSR+主体で開いていこうと決めた。その始まりが「塩狩峠」映画上映会であり、その場で今後の読書会で読もうと考えている「道ありき」を配った。
この本を読んでもらおうと考えた理由は、「道ありき」は著者の波乱万丈な人生を描いた本で、暗い中にも救いの光があることを伝えるには最適であると考えたためである。彼女の作品は人の「原罪」をテーマにするものが多く、暗い話をもう読みたくない、と手を出すのを躊躇うようになってしまった人もいるが、彼女の幸いな生を描いた「道ありき」はそういう心配はないと伝えて渡すことができた。その映画上映会に来られた方の多くは本の文字を追うのも大変だとおっしゃるような年配者が多かったが、本自体を「読まず」とも読書会で読む本の内容を「聴き」に来て、彼女の光に触れてほしいと祈っている。