MSR+ #04 岩沼より現地活動報告

【1日目】 

月曜日、1日目の作業を終えました。
今日は各地から集まった26名が4チームに分かれて、早股下一地区50軒にEMを散布しました。
昨日、夜9時過ぎに岩沼のセンターに到着したときは小雨が降っていて気温は18度でした。今日も1日中、小雨が降ったり止んだりでしたが、合羽を着込ん作業してもまったく苦にならないほど涼しく、散布作業は初めてという人が多かったのですが、チームリーダーのもとスムーズに作業が進み、4時頃には50軒の散布を終えることができました。
町内会長さん、区長さん、副会長さんの3人の方が案内役としていっしょにまわってくださり、それぞれのお宅に声をかけて下さることで、こころよく作業チームが迎えられました。
町内会長はとても信頼されている方で、伺ったお宅の方から「あの人は本当にいい人だ」という言葉が聞かれました。たまたま震災の時に、町内会長をされていたわけですが、ご本人は「これもめぐり合わせだからね」とおだやかにおっしゃるその姿が印象的でした。

早股地区はわたしたちのセンターよりも海に近く、海岸からは2kmの地域です。住宅のほとんどが床上浸水です。家の周りすべて、そして家の中まで入り込んだヘドロを何日も何日もかけて取り除き、ふたたびその家に住んでおられます。

EMの散布が必要とされているのは縁の下で、そこにはまだヘドロが残っているのです。かび臭いにおいがあがってきます。家庭では手の届かないその場所に、土台に数カ所ある換気口からEM活性液を動噴(動力噴霧器)のジェットで吹き込みます。

人が住んでいない一軒の家がありました。社宅かなにかで人が入っておらず、敷地内のヘドロもそのままになっていました。

依頼されてその家の門を入っていくと、滑ります!表面の4cmほどの土がやたらとぬかるんで、ゴム長もトラックのタイヤもグリップしません。これがヘドロでした。ヘドロは粒子が細かく、乾燥すると風に舞ってやっかいだし、今日のように雨が降るとドロドロになって非常にやっかいなのだそうです。


岩沼周辺の田んぼや畑も一見ふつうなのですが、そこにはヘドロが残されているのです。潮は引いてもヘドロとともに残されている塩分がこの一帯を不毛にしています。

峯野慈朗師(現地 岩沼センターよりメール報告)

【2日目】
23日(火)二日目のボランティアは、昨日に引き続き、早股下一地区に4つのチームに分かれ、4台の車にそれぞれタンクと噴霧器とエンジンを乗せてEM散布を行いました。
町内会長さんと3人の地域の方々が、ご協力くださり、道案内をして下さったので、スムーズに作業をすることができました。農家が多く、土地が1000坪のあるお宅もあり、一軒の散布に時間もかかるところもありましたが、今日の予定の40数軒と津波の泥や瓦礫で詰まっている側溝や川にも散布をし、4時ころには終えることが出来ました。

道案内をしてくださった方から、農家の悩みをお聞きしました。その悩みは深刻です。津波で農機具、家、田んぼが被害を受け、多くの借金を抱えたばかりか、田畑が仕えないため仕事もなく返済するのは、大変な事です。それに高齢化が進んでいるため、農業に必用な農機具を、今から購入しても返済をする予定が立たず、農業を辞めざるを得ないと言っておられました。
多くのビニールハウスを津波で流されたご高齢の女性が、早股地区に借家に引っ越しをしてこられ、昔と比べるとほんの小さな畑を借りてビニールハウスを建て、キャベツや白菜の苗を育てておられました。その女性が「私は、後ろを向かないで、前を見るようにしているの。後ろを向いても仕方がないからね。」と言われた言葉に、力強さを感じました。
今回の早天祈祷会で語られた「目を上げて」と御言葉から、「後ろ向きではなく前向き、前向きではなく上向きに」というメッセージが思い浮かびました。

今回は、青年大会の呼びかけが影響したのか、中高生や大学生も数多く参加し、力強い助っ人が与えら感謝です。帰ってきてからの、夕食や食後の交わりは、笑いの絶えない楽しい時を過ごしました。このように、主にある復興支援を通して、楽しい交わりが与えられていることを感謝します。
岡 摂也師 (現地 岩沼センターよりメール報告)