【復興委員会】 第1回ボランティア活動報告

床上浸水し床板を撤去した家屋での散布
床上浸水し床板を撤去した家屋での散布

栄光在主
皆様のお祈りを感謝申し上げます。3月25日に教団から東日本大震災のための義援金をお願いしてから、3ヶ月が過ぎましたが、教団としてのボランティア活動を宮城県岩沼市で始めました。これまでの経過報告と共に第1回の活動報告、今後活動予定をお知らせいたします。

 

第1回宮城南部復興支援ボランティア活動報告
日時:6月19日(日)~23日(木)
参加者:山形南部教会・岡摂也(牧師)、川上悟(信徒)
        九十九里みぎわ教会・小寺隆(牧師)

        北本福音キリスト教会・小西直也(牧師)

    玉川キリスト中央教会・池田紀江(信徒)、佐野塁生(信徒)      計6名

        20日クラッシュジャパンから3名が加わりました。

 

概要

3月11日の震災後、淀橋教会がアガペーCGNを立ち上げ、災害支援活動を始めそれは今も継続しています。当初塩釜にあるキリスト塩釜ともしびチャペルを拠点にしておりましたが、5月の連休後は岩手県一関市に拠点を移し、岩手県沿岸部いわゆる三陸地区で活動を行っています。
宮城県南部地区は三陸とは違い、平野部で津波が沿岸全域に4~5kmに至るまで押し寄せました。沿岸部は建物が流され、それが床上浸水、床下浸水と被害の程度は小さくなりますが、それが広範囲に仙台市青葉区荒浜地区、名取市、岩沼市、亘理町、山元町ここまでが宮城県でその南に福島県相馬市、南相馬市と延々と続いています。
しかし、復興、復旧はあまりに被害が広範囲に及ぶためにあまり進んでいません。確かに道は車が走れるようになっていますが、本来ならば、今の時期田植えが終わっている田に水がなく、むしろ田んぼ、用水路、排水路は瓦礫が埋まっています。
その地域で、EM(有用微生物群)を散布し悪臭を抑えることを主な支援活動とすることにしました。生活排水を流していた家の周囲の側溝は田に水を送る用水路につながっています。用水路の水を流す沿岸部の各地に点在していたポンプは津波でほぼ壊滅状態、かつ用水路、排水路、側溝などは瓦礫で埋めつくされているために、震災後100日以上が過ぎ、人々の生活がもとに戻り始めようとするときに、生活排水が流れない状態になっています。そのために、家の周囲に生活排水が滞り、蚊やハエが発生し、悪臭が出始めるようになっています。そしてその臭いは潮、海の臭いであり、それが震災の時の津波を思い出させることがある方が…
わたしたちの活動は尐しでも生活が改善されるようにとの思いから、環境にそして人体にも優しいEMを散布することで生活する場の臭いがなくなるようにと願って始めました。

活動内容

19日(日)礼拝後それぞれの教会から現地集合、翌日の活動打ち合わせ
20日(月)約30戸
21日(火)約55戸
22日(水)約30戸
23日(木)次回の打ち合わせ 岩沼市体育館

 

※ 写真はEM散布の様子です。側溝、床下、庭、浸水した家の和室の床を一部はずしての散布、床上浸水し床を撤去した家出の散布、被災地の側溝の様子などです。

 

亘理町に導かれて

―どうして亘理町に行くことになったのか―
アガペーCGNで気仙沼第一聖書バプテスト教会の信徒の方の家を洗浄のボランティア活動を行い、その際の床上まで水が来たために床下の汚泥除去後、EMを散布した。それで臭いが消えたことで、阿部さんの親族が名取市におり、同じ名取市の教会に出席していた方が自分の地域でもEMを散布してほしいと阿部さんを通して依頼がありました。そして、教団の岩沼での活動を始める前に、6月5日~7日調査隊が岩沼に行き、その信徒宅へ伺い、話し合いました。
そのことで、その方が教団の働きのチラシを近所に配り、EM散布の希望を募ってくださいました。今回の活動のうち、1日目と2日目はそのようにして導かれました。

 

どうしてEM(有用微生物群)の散布なのか
今回わかったことは、水田に水が入っていません。その理由は、宮城南部の沿岸地域で用水のためのポンプが津波でほとんど全て壊れたことにあります。そのために用水路に水が全く流れていません。それと用水路そのものも津波で瓦礫が埋まり、水を流すことができません。排水路は家の周囲は流れてもその先は手つかずになっています。

つまり、下水道のない地域ですから、被災した家で生活を始めれば生活水を排水することになります。それが家の近くで溜まり、そこから蚊やハエが…

宮城南部は水田の広がる地域ですが、海からおよそ5Kmの間に水田が、仙台市の南の名取市、岩沼市、亘理町、山元町と津波で被災しました。果てしなく続くように思えます。

 

EMを散布の目的は有用微生物による、悪臭の除去です。被災された方の場合、汚泥や瓦礫を撤去した後、消石灰で強アルカリです。土壌の消毒が目的です。しかし、時間とともにその働きが消えれば、もとの汚泥や瓦礫から臭いが出てきます。そしてまた消石灰を撒く…多いところで月2回消石灰を定期的に散布しなければなりません。

しかし、EMは微生物群によって、汚泥に含まれている臭いのもとになっている有機物を発酵させます。悪玉菌は腐敗させるために悪臭が、しかし同じものを発酵させれば臭いがしなくなります。しかも、その微生物が乳酸菌、酵母菌など環境や人体に安全であることが重要です。

 

今後の活動
次回は岩沼市の体育館と逢隈高屋での散布が決まっています。8月も岩沼市センターの地区を散布する予定になっています。夏になってどのような状態になっていくのか見当がつきません。9月の台風の時期になって水が溢れないかが心配です。

月2回程度ではどうすることもできないほどの広範囲の地域での点に過ぎない支援活動ですが、私たちのできることをこれからも継続していきたいと願っています。
引き続き、皆様のお祈りとご支援、そして人的支援(ボランティア)をお願い申し上げます。